産業用バッテリーを取り扱う時に使われる用語

バッテリーに関する用語を簡単に説明しています。用語は随時更新・追加します。

更新: 2018年6月11日

ア行

液漏れ
(漏液:ろうえき)
電池内部の電解液が外部に漏れ出てしまう事。
バッテリーの過放電状態が続くと、バッテリー内に水素が充満し内圧が上昇する。この時、破裂防止のためバッテリーの排気弁が開き水素を排出するが、それと一緒に電解液がこぼれ出た状態を、液漏れ(漏液)という。

※参考ページ
鉛蓄電池の充放電(1)放電のしくみ
アルカリ蓄電池の充放電(1)放電のしくみ

カ行

開路電圧:OCV
(Open Circuit Voltage)
電池に負荷をかけていない(電池に機器を接続していない)状態の時の電池端子間の電圧の事。つまり、電流が流れていない状態の電圧。
負荷がないため、電池に機器を接続している時よりも電圧は大きい値を示す。開放電圧、開回路電圧とも言う。

対義語 → 閉路電圧
過充電
完全に充電されているにも関わらず、長時間充電し続けること。
鉛バッテリー等、補水が必要なバッテリーの場合、過充電状態になると水の電気分解により電解液が急速に減少してしまうので、その際は精製水を補水する必要がある。
過充電を繰り返すと、バッテリー液が減少したり、逆に蓄電池寿命が短縮されたり、また過度にガスが発生し引火・爆発の危険性がある。
モバイル端末やUPSでは、過充電を防ぐ為、トリクル充電が採用されている。
トリクル充電は微弱な電流を流し続ける充電方法で、充電時間は長くなるが満充電後にそのまま充電状態であっても、電池に負荷は与えられないため、過充電による性能劣化等の悪影響を回避する事ができる。
活物質
電池反応の中心的役割を担い、電子を送り出し受け取る酸化/還元反応を行う物質。
過放電
バッテリー残量が0%になるまで使い切り、放電してしまうこと。蓄電池を定められた終止電圧を下回るまで放電すること。
逆充電new
プラス極とマイナス極を逆に接続して行う充電のこと。蓄電池は強制放電されることになる。
鉛蓄電池の場合、放電後に逆充電を行うとプラスとマイナスが逆になってしまう。この場合、極板の特性上バッテリー性能が悪くなる。
急速充電
大電流により短時間で充電する事。例えば、深放電状態のバッテリーをエンジン始動可能な程度にするために急速充電を行うなど、応急的に行われる充電方法で、完全充電するものではない。
急速充電はバッテリーへの負荷が大きいため、急速充電に対応するバッテリーかどうか確認が必要。大電流により短時間で充電する事。例えば、深放電状態のバッテリーをエンジン始動可能な程度にするために急速充電を行うなど、応急的に行われる充電方法で、完全充電するものではない。
急速充電はバッテリーへの負荷が大きいため、急速充電に対応するバッテリーかどうか確認が必要。
均等充電
蓄電池の品質を維持するために行われる充電方式の一つで、接続された複数の蓄電池を過充電し、全セルの蓄電容量を均等化させるために行う。
蓄電池は浮動充電しながら運用していると、セルごとに蓄電容量のばらつきが生じる。このまま使い続けると、電位差による循環電流などの悪影響が出る恐れがあるため、定期的に均等充電を行う必要がある。
高率放電
蓄電池の容量よりも、比較的大きな電流で行う放電のこと。

サ行

サルフェーション
鉛バッテリーを放電したときに発生する硫酸鉛の結晶化のこと。
発生してすぐの硫酸鉛は柔らかいため、放電後すぐに充電すれば硫酸塩は電解液に溶け込みバッテリー容量に影響を与えないはずだが、バッテリーを長期間放置すると、硫酸鉛はだんだんと硬くなり、また電極板にも付着する。硫酸鉛は絶縁体であるためバッテリーの内部抵抗が大きくなり容量が低下する。
自然放電
(自己放電)
外部回路に電流が取り出されること無く、蓄えられている電気の量が、時間の経過と共に徐々に減少する現象。
充電
コンデンサや電池に外部から電流を加え、蓄電すること。
充電終止電圧
安全に充電を行える充電電圧の最高値のこと。
充電終止電圧を上回るまで充電すると「過充電」と呼ばれ、バッテリーを劣化させる原因になる。
循環電流
電池を並列に接続したときに電池間に流れる電流のこと。
電圧に差がある蓄電池を並列に接続した時、電圧の高い蓄電池から低い蓄電池へ電流が流れ、負荷を繋げていないにも関わらず蓄電池の容量が減ってしまう。
触媒栓
バッテリーの酸化還元反応で発生した酸素・水素ガスを水に戻して電解液の減りを防ぎ、発生したガスを電池外部に漏らさないための栓。
深放電
バッテリー容量を終止電圧(放電終止電圧)に達するまで放電した状態のこと。ただし、容量が全く0%の状態ではない。
深放電の状態でバッテリーを放置すると、自己放電によりバッテリー容量は減少し、過放電になる。
セパレーター
セパレーターは、小さな孔がいくつもあいた吸液体のこと。正極板と負極板の間に設置され、正極板と負極板が接触する事による短絡(ショート)を防ぐ。
バッテリーは、正極板と負極板の間をイオンが移動する事で電流が流れるため、セパレーターが電解液を保持し、小さな孔がいくつもある事で、イオンが行き来できるようになっている。
セパレーターは、薬品による腐食や酸化を起こさず、電気絶縁性のある素材で作られる。
整流器
交流電流を直流電流に変換する装置のこと。整流器は一方向 にのみ電流を通し、蓄電池の充電用として使用される。
セル(単電池)
セルとは バッテリーを構成する個々の電池の事を指し、単電池とも言う。鉛蓄電池の場合1セルは2V(ボルト)の電圧を発生させる。
通常、1個のバッテリーケースの中に複数のセルが接続されて入っている。6Vの鉛蓄電池の場合、バッテリーケースの中には3セル入っており、12Vの場合は6セル入っている事になる。

タ行

定格容量
温度、放電電流および放電終止電圧の規定条件で完全充電から取り出せる電気量を定格容量と定められている。
放電終止電圧に達するまでの時間(5時間、10時間、20時間)を基に、単位は「Ah:アンペアアワー」であらわされる。
ディープサイクル
バッテリー
ディープサイクルバッテリーは、バッテリー容量が空になる(放電終止電圧に達する)まで使用できるよう設計されている。
電気供給が長時間必要な厳しい条件下で使用でき、また、繰り返しの充放電に耐えられるような仕様となっている。
主に、建設機械やゴルフカート、フォークリフトや搬送車など、業務用として使用される。
定電流定電圧
充電方式
最初に電池セルに一定の電流(定電流)を供給し充電し(定電流充電)、セルの端子電圧が規定値に達すると、電流の供給量を小さくして一定の電圧を供給して充電する(定電圧充電)充電方式。
定電流充電と定電圧充電の両方を用いて充電する。端子電圧が充電終止電圧に達すると充電が完了する。
電解液
(電解質溶液)
イオン性物質を水などの極性溶媒に溶解させて作った電気伝導性のある溶液。
トリクル充電
蓄電池を負荷から切り離した状態で、微弱な電流を絶えず与えて充電する方法で、蓄電池の自己放電を補うことができる。
トリクル寿命
(トリクル期待寿命)
蓄電池をトリクル充電で使用したときの寿命。通常、使用開始時の半分の放電可能時間になるまでの年数をいう。

ナ行

内部短絡
外的な衝撃などにより、電池の内部で正極と負極が電気的に接触すること。
接触により大きな電流が流れて温度が上昇する。温度上昇が基準温度を超えないときは徐々に温度は低下し、電池は穏やかな発熱反応のみで終わるが、温度上昇が基準温度を超えた場合、熱暴走を発生し、電池は使用不能となる可能性が高い。
内部抵抗
蓄電池の起電力(理論上の電圧)と実際の電圧には差があり、電流が多く流れるほど実際の電圧は小さい。この差の原因を、蓄電池内部に抵抗があると見なし、これを「内部抵抗」とよぶ。
NAS電池
(なすでんち)
「ナトリウム・硫黄電池」の事で、正極の活物質に硫黄を使い、負極にナトリウムを使用した高温作動型の大型蓄電池の事。
一般的な鉛蓄電池に比べて体積と重量が1/3程度でコンパクトであり、超寿命で自己放電が少なく、比較的安価である事が特徴。
都市部の変電所や再生可能エネルギーを用いた施設など、大規模な電力貯蔵用として使用されている。
NAS電池の製造は難しいと言われており、日本ガイシ株式会社が世界で初めて実用化し、唯一製造販売を行っている。
※「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標。
熱暴走
(サーマルランナウェイ)
発熱が更なる発熱を招き、温度上昇の制御が出来なくなること。
定電圧充電など で設定電圧が高すぎたり、蓄電池自体の温度が非常に高くなった場合に充電電流が増加し、温度が更に上昇する。
通常は熱暴走を防ぐ為の安全装置が取り付けられているが、経年劣化等で装置がはたらかず、最悪の場合はバッテリーが破壊したり、または発生したガスに引火する危険がある。

ハ行

比重
バッテリーケースの中には正極板・負極板と、電解液(バッテリー液)が入っている。比重とは電解液として使用する水溶液の濃度をあらわしている。
鉛バッテリーの場合、比重は硫酸濃度をあらわす。アルカリバッテリーの場合は、電解液に使用する素材が複数ある。鉛バッテリーの適正な比重値は満充電時で1.280である。これは水と比べて1.280倍重い事を意味する。
鉛バッテリーを放電すると、電解液の酸化還元反応が進み硫酸濃度が下がるため、比重値は小さくなる。バッテリーを充電すると、比重値は大きくなり適正値に戻る。
鉛バッテリーを何度も充放電を繰り返していると、全体のバッテリー液量が減少し硫酸濃度が高くなる事があり、この時比重値は大きくなる。
アルカリバッテリーの場合、電解液に使用する素材によりバッテリーの充放電では比重が変化しないものもある。
フロート充電
(浮動充電)
充電器に対して蓄電池と負荷を並列に接続し、蓄電池の自己放電を補う程度の小電流で絶えず充電状態にしておく充電方式。
閉路電圧:CCV
(Closed Circuit Voltage)
電池に負荷をかけている(電池に機器を接続している)状態の時の電池端子間の電圧。電流が流れているため、電池の内部抵抗のせいで電圧は低くなる。
対義語 → 開路電圧
放電
バッテリーに蓄わえられている電気を外部へ取り出すこと。
放電終止電圧
安全に放電を行える放電電圧の最低値のこと。
バッテリーは使用していくと徐々に電圧は下がっていき、放電終止電圧に達するとバッテリーは空になったとみなされ、通常、接続している機器の動作は停止する。(蓄電残量は0%ではない)
放電終止電圧を下回っても放電を続けると、蓄電池性能が低下する。
放電深度
蓄電池の放電容量(定格容量:100%)に対する放電量の比のこと
放電特性
電池を放電したとき、蓄電池の電圧が時間の経過と共に次第に減少していく変化の様子を図に表したもの。横軸は放電時間、縦軸はセルの電圧。
放電容量
使い始めから使い終わるまでにバッテリーから取り出した(放電した)電気量のこと。
放電時の電流(消費電流)と終止電圧に達するまでの時間で計算される。単位は「Ah(アンペアアワー、アンペア時)」で表され、「1時間あたりに流せる電流」を意味する。
スマートフォンなどの小型バッテリーの場合は「mAh(ミリアンペアアワー、ミリアンペア時)」で表す。

マ行

無停電電源装置(UPS:ユー・ピー・エス)
電源装置の一種で、停電など電力供給が遮断された場合に一定時間決められた出力で電力を供給する装置のこと。
英語でUPS(Uninterruptible Power Supply(アンインタラプティブル パワー サプライ))という。
一般的には、通常の商用電源(家庭用の100V交流電源など)に接続して、装置内にある蓄電池に電気を蓄積し、電源障害時には同じ規格の電力を外部に供給する。
コンピュータなどの電気機器をUPSを介して電源に接続することで、停電が起きても暫くの間稼働を続けることができる。また、落雷などによる電源の瞬断や一時的な電圧低下などの影響を回避することができる。
ただし、UPSは予め電源に接続して充電しておく必要がある。

ラ行

漏液(ろうえき)
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数字

UPS : ユーピーエス
(無停電電源装置)
UPSは「Uninterruptible Power Supply(アンインタラプティブル パワー サプライ)」の略で、日本語で「無停電電源装置」とよぶ。
詳しい説明は、「無停電電源装置」の項目を参照。
5時間率容量(5HR)
バッテリーの容量は時間率(HR)で表すようJIS規格で定められており、5時間率容量が表記されているバッテリーは多い。
時間率容量は、25℃の環境で、完全充電したバッテリーを容量の[時間率]分の1(5時間率の場合は1/5)の電流で放電し、放電終止電圧に達するまでの時間(5時間率の場合は5時間)と電流の積で表される。
例えば、「5時間率容量 12Ah」と表記している場合、容量の1/5である2.4A(12Ah÷5)の電流を放電し、5時間後に放電終止電圧に達したといえる。つまり、2.4Aの電流を5時間放電する能力がある。
時間率容量は、1時間率、5時間率、10時間率、20時間率の4種類がある。

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